狸の里 第一話「ポン助という狸」

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ポン助は、狸の里に住む、太鼓腹で二足歩行の不器用な狸でした。
いつも腰にとっくりをぶら下げ、昼から酒を飲んでいる酒好きで、里の仲間からは
「酒飲みで、騙しが下手などうしようもない奴」
と見られていました。

狸の里には昔から、人間を化かして遊ぶ習慣がありました。
ただし、狸が狸を化かすことは掟で禁じられており、絶対にしてはならない行いとされていました。

ですがポン助は、その「人間を化かす」という一人前の狸の証がどうにも苦手でした。
決して化かす能力がないわけではありません。
ただ、いつも肝心なところで化けの皮が剥がれ、人間に見破られてしまうのです。

「おいポン助、また失敗したのか!」
「すぐバレるなんて、お前ぐらいだよ!」

村人や里の仲間たちは彼をからかいます。
普通なら怒るところですが、ポン助はどこか憎めない狸であり、それゆえに笑いが生まれる存在でした。

ただし、里の長老たちだけは違います。
長い白ひげを生やした賢い狸たちは、
「人を化かせぬ狸は、一人前とは言えん」
と考えており、ポン助を煙たがっていたのです。

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