最終面接でも、一次面接と同じ失敗をした。
面接官を待たせてしまったのだ。
——こりゃ、落ちたな。
そう思った。
だが、不思議とそこまで落ち込みはしなかった。
実は、もう一社、本命として行きたい会社があったからだ。
ここが落ちても、本命さえ通ればいい。
そんな逃げ道を、心のどこかで用意していた。
しかし、結果は残酷だった。
その本命が、不採用になってしまったのだ。
——次、また探さないとな。
そう自分に言い聞かせた。
その直後、祖母の米寿のお祝いのため、九州へ向かった。
無事に祝いも終わり、少し落ち着いてくつろいでいたとき、
携帯電話が鳴った。
見慣れない、大阪の番号。
とりあえず出てみる。
「先日は、面接ありがとうございました。」
落ち着いた声だった。
「〇〇の採用担当、Tです。」
不採用なのに、わざわざ電話してくるのか。
そう思い、不思議に感じながらも、
「お世話になります。」
とだけ答えた。
すると、相手は続けてこう言った。
「この度、採用させていただくことになりました。」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。
嬉しさよりも、まず疑わしさが勝った。
——本当に?
思わず、
「……はあ。」
とだけ返事をしてしまった。
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