極楽譚 ― 魂の牢獄(前篇)

極楽譚

ある日、ある男がぽっくり死んで、極楽に行くことになった。
閻魔さまからも、あっさり極楽行きを告げられた。

生きている時は特に良いことはしなかったが、悪さはしたことはなかった。
話に聞いてはいた極楽に行けるとのことで、死んでしまったが嬉しくてたまらなかった。

蓮の花が咲き乱れ、空は紫色の雲が棚引いており、
お日様の代わりに大きく温かなものが照らしてくれていた。
遠くには、おそらく極楽の中心だろうか、眩い光が見える。
おそらく仏様がおられるところのようだった。

驚かされたのは、多くの人々がいて、
蓮で出来た蓮座に座っていることだった。
ただ、黙って瞑想だろうか、静かに目を瞑って座っている。
不思議と話声は聞こえない。

さて、どこに行こうかと歩き始めた。
寝るところや、ごはんはどうしようか。

何日歩いただろうか。
不思議とお腹は空かないし、眠くならない。

また歩き出した。どうしたらいいかわからない。
人はたくさんいるが、話しかけても答えてくれない。
景色からして、極楽には間違いなさそうだ。


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